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アメリカから見えたサスティナブル最前線。
多様性に見る食品開発のあり方
皆さま、こんにちは。株式会社Agritureの小島です。これまで第1回〜第3回のコラムでは、サスティナブルな食品開発のあり方や、日本における課題・可能性について考えてきました。
第4回の前回は、ヨーロッパで感じたサスティナブルについて紹介いたしました。
今回は、アメリカで感じた食品のあり方についてご紹介したいと思います。
アメリカはなぜ「食の多様性」が生まれるのか
アメリカを歩いてまず感じたのは、圧倒的な「多様性」です。街を行き交う人々、使われる言語、文化、価値観。それらは一つではなく、メキシコ系、アフリカ系、アジア系、アラブ系、ヨーロッパ系と、全く異なる背景を持つ人たちが同じコミュニティをつくっています。
この「前提としての多様性」が、アメリカの食文化に強い影響を与えています。
全米で展開するファストカジュアルブランドの例を見ると、その多様性がよく表れています。
Chipotleはメキシコ料理、Cavaは地中海・中東料理をベースにしながら、アメリカの生活者に合わせて“健康的で手軽な日常食”に進化させています。もはや特定の国の料理というよりも、「アメリカ社会に生きる人々のための新しい形の食」と言える存在になっています。
文化が混ざり合う環境だからこそ、新しい味、新しい組み合わせ、新しい食のスタイルが生まれ、それを社会が受け入れる。この“柔軟さと許容度の高さ”が、アメリカの食の個性を形づくっているのだと感じました。
アメリカのサスティナブルは“環境”だけで語れない
ヨーロッパでは、サスティナブルは「自然との共存」や「伝統の継承」という価値観が軸になっていましたが、アメリカは少し違います。
アメリカのサスティナブルは、環境配慮に加えて
「多様な価値観を包み込むこと」
「公平にアクセスできること」
といった“社会構造としてのサステナビリティ”が重視されているように感じました。
ヴィーガン、ハラール、グルテンフリー、ノンデイリーなど、価値観や宗教、体質による食の選択肢が圧倒的に広いのも、持続可能な社会には多様な人が共存できる環境が不可欠だという考えが根底にあるからです。
つまり、アメリカでは「環境」と「多様性」がサスティナブルの両輪になっていると言えます。
健康志向と利便性を両立させる、
アメリカのフードシステム
アメリカの食で特に印象的だったのは、健康意識の高さ以上に、それが“便利さ”と両立していることです。
ミールキット、プロテイン入りのスナック、プラントベース食品、スーパーの惣菜、サラダボウル専門店まで、どれも「ヘルシーなのに圧倒的に手軽」という特徴があります。
忙しく働く人が多い社会だからこそ、続けやすい仕組みとして健康食品が定着しているのだと感じました。一方でファーマーズマーケットやオーガニックストアも存在し、生活者は状況に応じて選び分けています。
この二層構造は、アメリカらしいサスティナブルの形だと言えます。
多様性の国から、日本が学べること
アメリカで感じたのは、食をつくるときの“価値観の幅”の広さです。誰が、どんな背景で、どのように暮らしているのか。その違いを前提に商品が開発されているため、食の選択肢が自然と増えていきます。
一方で、日本は人種的な多様性がそこまで大きくありません。そのため、商品に求められる価値はアメリカとは少し異なります。
日本では「誰がどんな思いで作ったのか」「どんなストーリーがあるのか」といった背景や文脈が重視されます。生産者の想いや手仕事への敬意、季節・産地・素材を大切にする文化が強く、これはアメリカの多様性とはまた違った形のサスティナブルだと言えます。
言い換えれば、日本は“人の物語”が持続可能性の中心にある国なのです。
日本らしいサスティナブルの未来へ
アメリカの多様性から学べる点は多くありますが、日本には日本独自の強みがあります。
四季を感じ取る繊細さ、素材を使い切る工夫、自然への敬意、ものづくりの背景を大切にする文化。これらは、国としての多様性が少ないからこそ育まれた価値観であり、世界が持つべき視点でもあります。
アメリカのように“多様性を包み込む食品開発”と、日本のように“背景や物語を尊重する食品開発”。この両方を理解しながら、日本の食づくりが世界とつながっていく未来を描きたいと思います。
今回の気づきを、弊社の乾燥野菜開発はもちろん、今後の活動にも活かしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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