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  コラム 「食品開発×SDGs」  
     
   


  (7) 中東のサスティナブル
~サウジアラビア・デーツに見る「砂漠の恵み」の可能性~
 
     
 


皆さま、こんにちは。Agriture(アグリチャー)の小島です。

前回のベトナム編では、東南アジアに根づく「循環型の食文化」についてお伝えしました。今回は大きく西へ目を向けて、サウジアラビアで出会った「デーツ(ナツメヤシの実)」を軸にしたサスティナブルな食品開発の最前線をお伝えしたいと思います。

砂漠が育てる「完全栄養食」デーツ

デーツと聞いても、日本ではまだなじみの薄い食材かもしれません。しかしサウジアラビアをはじめとする中東諸国では、何千年もの歴史を持つ、暮らしに欠かせない果実です。

現地を訪れてまず驚いたのは、デーツの品種の豊富さです。サウジアラビアだけで400種以上の品種が栽培されており、味も食感もまったく異なります。キャラメルのように濃厚な甘みのものから、さっぱりとした上品な甘さのものまで。それぞれが料理やお菓子、飲料など、異なる用途に使い分けられています。

栄養面でも、デーツは注目すべき食材です。食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄分が豊富で、天然の糖分によるエネルギー補給にも優れています。中東では古くから「砂漠のスーパーフード」として、断食明けに最初に口にする食べ物としても知られています。

そして何より、デーツはサスティナブルな作物です。ナツメヤシは乾燥に極めて強く、少ない水で育ちます。気温50度を超える過酷な環境でも実をつけ、一本の木から年間100kg以上の収穫が可能。砂漠という厳しい自然環境の中で、持続的に食料を生み出してきた、まさに「自然と共存する農業」の象徴です。

シンプルなのに高付加価値。デーツ商品の魅力

サウジアラビアで最も感銘を受けたのは、デーツ商品の「引き算の美学」とでも呼ぶべきアプローチです。

現地の高級デーツ専門店を訪れると、まるでジュエリーショップのような空間が広がっていました。美しい箱に一粒ずつ並べられたデーツ。そのままの姿で売られるものもあれば、種を取り除いてアーモンドやクルミ、ピスタチオを詰めたもの、オレンジピールやジンジャーを合わせたものもあります。

驚くべきは、このシンプルな商品が非常に高い付加価値を持っているということです。素材そのものの品質を極め、ナッツを一粒詰めるだけ。添加物も保存料も使わない。それなのに――いえ、だからこそ――プレミアムギフトとして高い価格で取引されています。一箱数万円のデーツギフトも珍しくありません。

この「素材の力を信じ、余計なものを足さない」という姿勢は、これからの食品開発に大きな示唆を与えてくれます。加工度を上げるほど価値が上がるという従来の発想とは真逆の、素材を活かしたシンプルな商品設計。サスティナブルな食品開発において、「引き算」のアプローチが持つ力を改めて感じました。

日本の食品OEMとデーツの可能性

日本の食品OEMの皆さまにとって、デーツは大きな可能性を秘めた素材だと私は感じています。

まず、天然甘味料としてのポテンシャルです。白砂糖や人工甘味料の代替として、デーツペーストやデーツシロップを活用する動きは、世界的に加速しています。グルテンフリーのベーキングや、プロテインバーの甘味づけ、スムージーのベースなど、用途は広がる一方です。

さらに、日本の加工技術と組み合わせることで、新たな商品開発の道が開けます。たとえば、デーツと和素材の組み合わせ。デーツと味噌を合わせた発酵調味料、デーツと抹茶のエナジーバー、デーツあんを使った和菓子。日本の食文化との融合には、無限の可能性があります。

そして、サウジアラビアで学んだ「シンプルだけど高付加価値」の考え方。ナッツを詰めただけのデーツが高級ギフトになるように、日本の高品質なドライフルーツや乾燥野菜にも、同じ可能性があるはずです。私たちAgritureが取り組む規格外野菜の乾燥加工も、素材の力を活かすという点では同じ方向を向いています。

砂漠の過酷な環境で何千年も人々を支え続けてきたデーツ。この古くて新しい食材から学べることは、想像以上に多いと感じた旅でした。

次回は、これまでの世界各地の取材を踏まえた総括として、日本の食品OEMが担うサスティナブルの未来についてお話ししたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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