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レポート11 / EC事業でうまくいかない食品企業のよくある失敗10例(6)
  「自社で購入する理由が明確でない」
 
 
     
 


明けましておめでとうございます。リライズコンサルティングの南口です。

 

コロナ一色だった2020年。夏までは外食産業全体が沈んでいましたが、夏以降、単に「業界全体がすべて悪い」という状況ではなく、持ち直している店とそうでない店との二極化が一段と進んでいるようです。何より今前向きにチャレンジしている店舗は「良い店」が非常に多く、後発で取引先開拓をしたい企業にとっては絶好のチャンスとも言えます。

 

 

さて今回は、前回に引き続きテーマ「EC事業でうまくいかない食品企業のよくある失敗10例」より、F自社で購入する理由が明確でない、についてお伝えして参ります。

(10例についてはレポート最後に記載)

 

 

■F自社で購入する理由が明確でない

ネット事業を行う上で、「差別化」「ニッチトップ」などというワードをお聞きになったことがあるでしょう。これは、BtoBにせよ、BtoCにせよ、ネットを介して取引が行われる際、必ずと言ってよいほどユーザー側は他社と比較検討をしている為、「自社で購入する理由=自社への決め手」が必要となります。加えて、ネット市場は、日本全国に向けた大商圏ビジネスであるため、地元では選ばれるかもしれないが、全国を対象とした場合、決め手に欠けるという事象がよく起こります。一方で、「どうやって差別化すればよいのか?」というご相談もよく承ります。

 

そこで今回は、「自社で購入する理由作り」「差別化の仕方」について4ステップに分けてご案内したいと思います。

 

 

STEP1 ターゲットを決める

 どんな事業も、端的に言うと『「誰に」「何を」「どうやって」売るのか』です。その「誰に」を決める必要があります。マーケティングで言う「ターゲット」ですね。ただターゲットについて聞くと、「ターゲットは飲食店です」などかなり大雑把にターゲティングしている企業が非常に多くいらっしゃいます。大手企業であればこれでもよいですが、中小零細企業が行うターゲティングとしては大雑把すぎます。私はご支援先でターゲティングについて話す際、「具体的にはこの人」と顔が浮かぶレベルで想像できるまで顧客を絞り込んでください、とお伝えしています。飲食店というレベルではなく、最低でも「地元商圏に3店舗経営しているラーメン店」とか「東京都内、30席程度で生中ビール650円で販売している和食系居酒屋」というレベルです。

 

STEP2:ターゲットのBFを洗い出す

 ターゲットが決まれば、続いてターゲットのBFやKBFを洗い出しましょう。BFとは、「Buying Factor(購買決定要因)」の略で、つまり「(顧客が)決めるときに考えること」を言います。さらにその中でも最も重要度の高いBFをKBF(Key Buying Factor)と言います。小売店や飲食店など業務用取引におけるBFには、価格や品質、納期、ロット、支払い方法、支払いサイクルなどがありますが、ターゲットや商材を絞れば、さらに別のBFが出てくると思います。もしターゲットのBF (Buying Factor)がわからなければ、まずはターゲットに聞くことから始めましょう。

 

STEP3 競合と自社とでBF比較を行う

 STEP2で洗い出したBFやKBFについて、自社と競合を比較してみましょう。そうすれば、自社の強みが明確になります。多くのターゲットが挙げるKBFにおいて自社が強みを発揮できるのであれば、それはそれでベストですし、仮にそうでないとしても「今勝てるBF」「勝てそうなBF」を見定めることが重要です。

 


例えば表の場合、自社は価格については、強みを出せませんが、納期やロットに強みを発揮できることがわかります。つまり、「納期を急いでいる人」「ロットに悩んでいる人」に対してであれば「自社で購入する理由」を提示することができますね。一方で、支払い方法やサイクルについて整備することが出来ればさらに提示できるメリットが増えます。

 

 

STEP4 自社の強みを整理し、言葉にする

 BF比較で明確になった自社の強みを、ターゲットに伝えるために言葉にしましょう。どんな強みでも、相手に伝わらなければ意味が無いですから。言葉化する際、具体性を出すために、数字を盛り込むこと、固有名詞は出来るだけ含ませること、を念頭にしましょう。

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差別化する4つのSTEPについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

「自社で購入する理由」というのはネットだけではなく、どの市場においても重要な事です。

是非、実践していただければ幸いです。


 


<EC事業でうまくいかない食品企業のよくある失敗10例>

@経営者が本気になっていない

A自動販売機と勘違いしている(いきなりHP制作会社に依頼)

BECのビジネスモデルを理解できていない

C販促投資が行えてない、後投資型事業であることへの理解不足

D現場からの反発(営業組織から、事務スタッフから)

E責任者がいない、施策がやり切れていない

F自社で購入する理由が明確でない

G新規顧客が集まらない

Hリピート作りが出来ていない

I構造上、収益を生まない

 

 

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 (メール) minamiguchi@rerise-consulting.com
 
     


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