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レポート41 / DXを成功させるポイント「既存システム活用から」
 
 
     
 


皆さん、こんにちは。リライズコンサルティングの南口です。


 

月に開催されたFABEX2023東京にて、食品企業のDXに関するテーマで講演した際、「DXを成功させるポイント」として以下のつを挙げました。

・トップダウン

・小から

・既存システム活用から

 

回目の今回は「既存システムから」です。

 

大企業でない限り、基本的には「既存システム」が多く出回っています。

ほぼすべての企業に於いて、わざわざ多額の費用を投じて、自分たちのやり方に合わせた「システム構築」は無駄に終わります。システム会社からすれば、色んなリスクで恐怖を煽りますが、聞くだけ聞いておけばよいでしょう。

 

結論、「既存システムから」で十分です。

その際に出てくるのが、「今の自社のやり方に合わない」「自社のこの業務に於いて使えない」という細部の話。システム化というのは、全部が効率化するわけではなく、大半の業務が圧縮される一方で、増える作業も発生はします。もちろん、このプラス効果とマイナス効果に於いてプラスの方が大きいからこそ、コストを投じる価値があるわけで。

 

前回のコラムでもお伝えしましたが、まずは既存システムを活用しながら、ある一定規模感になった後、自前システム開発を検討する手順で十分です。

 

 

既存システムを利用するためのハードルとして挙がった業務に対して、

そもそもその業務、その作業は居るのか?

無くせないか?

・無くすとどんな問題が予想されるか?

という「そもそも論」での発想が無ければ、システム化は進みません。

 

続いて、リスクを数値化することも重要です。

 

例えば、とある企業の受注現場に於いて「ダブルチェック」という作業がありました。ダブルチェックをするスタッフに「あなたのところで弾く(差し戻す)件数はどの程度ですか?」と聞きました。答えは、「数百件に件です」と。

 

この企業では、嬉しくも受注処理が追いついておらず、募集をかける予定でしたが、即座にストップしてもらいました。

この企業の問題は

・ダブルチェック自体がこの企業では当たり前化し、「そもそもダブルチェック要ります?」という問いが誰にも発生せず、思考停止している

・数百件に件の間違いを探す為に、経験豊富なダブルチェックする人の時間のほとんどが「チェックしてOKという作業」をしている

 

さらに会社を揺るがすほどのミスは発生しておらず、贈り先の住所ミスや名前ミスなどでした。再送したとしても~2万円、しかもその発生率が数百件に件です。そのために経験豊富やスタッフがチェックしている人件費コストの方がムダです。

 

そこで「そういったミスが発生した際は、現場判断で新しい商品を自社コスト持ちで発送してOK。ただし、事後報告」というルールを制定し、ダブルチェックしていたスタッフを受注処理に回したところ、部門の人数は変わらず処理件数は増えるので、結果部門の生産性が上がり、応募する必要が無くなるということがありました。

 

 

本事例も一見、「ミスを減らす為にダブルチェック」という総論は良いですが、数値化すると顕在化するムダが社内はたくさんあります。(もちろんその件が会社全体を揺るがすミスにつながる場合は、コストよりチェックを優先しますが)

 

業務効率化を図るとき、システム化を図るときは、「そもそもそれ要る?」とセットで推進していきましょう。

 


 

 

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