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レポート59 / 観光需要と海外戦略開拓を軸に自社成長を促す戦略を考える
 
 
     
 



明けましておめでとうございます。

ジャパンフードカンパニーの南口です。

本年も、皆様の一助となるレポートをお届けできるよう努めてまいります。

 

 

2025年は、日本の食品業界にとって大きな転機となり得る年です。大阪・関西万博をはじめ、ポストコロナの観光需要回復や地方創生の取り組みが加速する見込みがあり、海外販路開拓にも好影響が期待されています。
成熟が進む国内市場のなかで、企業がどのように成長機会をつかむかは非常に重要なテーマです。本レポートでは、2025年に注目すべきつの主要イベント/トピックと、観光需要および海外販路開拓の可能性を取り上げ、食品メーカーが押さえておくべきポイントを整理しました。
特に中小企業の経営者・経営陣が、具体的なアクションに踏み出すヒントを得られる構成となっています。

 



1.2025年を取り巻く食品市場のトレンド

1-1.ポストコロナ時代の消費スタイル

リモートワークの定着により中食・内食の需要が高まった一方、コロナ禍の反動で外食や旅行への意欲も再び活発化しつつあります。多様化する食シーンでは、引き続き健康志向体験重視がキーワードとなるでしょう。

 

1-2.サステナブル・エシカル消費の拡大

SDGsやフードロス問題への関心が高まり、環境配慮型の商品・サービスは今後さらに評価される見込みです。再利用可能パッケージや循環型社会への取り組みは、企業のブランド価値を左右する重要な要素となります。
たとえばスターバックスは、2025年1月から従来の紙ストローに代わり、飲み心地の良さと環境負荷低減を両立する植物由来の生分解性バイオポリマー「Green Planet®」ストローを導入すると発表しています。

 

1-3.AIのさらなる台頭

AIやIoTを活用した生産効率化、SNSやECサイトを用いたD2Cモデルなど、デジタル技術が企業の競争力を大きく左右する時代です。さらに、飛躍的に進化したAIが一般に開放されることで、「使う・使わない」ではなく「どう使うか」を本格的に検討すべき段階に入っています。



2.2025年に注目すべき5つのイベント/トピック

2-1.大阪・関西万博

2025年4月から開催予定の国際博覧会は、国内外から多くの来場者を集め、日本の食文化を世界に発信する絶好の機会となります。万博会場周辺に限らず、広域エリアで飲食・観光需要が拡大する可能性が高いでしょう。

 

2-2.観光需要回復と地方創生キャンペーン

2024年の訪日外客数は、2019年を上回る過去最多を更新。さらに万博でインバウンドと国内旅行が同時に伸びる見込みです。地域特産品や地元食材に注目が集まり、土産品や地域限定商品が売れるチャンスが増えるでしょう。

 

2-3.海外販路開拓(輸出市場の魅力)

FTA/EPAの整備や日本食ブームの影響も相まって、多言語対応や認証取得などの準備は必要ながら、海外向けビジネスのハードルは確実に下がっています。
なかでも、特にタイへの渡航の機会が増えたことで筆者が痛感したのは、「日本人が想像している以上に日本の国力は低下している」という点です。だからこそ、日本食や日本ブランドに対する信頼を武器に、海外市場に打って出る必要性が高まっているといえます。

 

2-4.春~初夏の大型連休需要

ゴールデンウィークを中心とした長期休暇は、旅行や外食・レジャーに直結しやすい時期です。コロナ禍の反動需要も相まって、観光地や行楽施設での食品需要が大きく伸びる可能性があります。観光地や行楽施設ではOEM商品も採用されやすいため、食品メーカーにとっては営業の好機といえます。

 

2-5.シルバー市場の活性化(2025年問題)

団塊世代が75歳以上となる2025年には、介護・医療の需要が急増すると同時に、健康で消費意欲のあるシニア層も増加すると見込まれています。機能性や食べやすさ、美味しさを兼ね備えた商品が鍵を握るでしょう。



3.
観光需要への注力が自社成長を促す

3-1.観光需要と食品ビジネスのシナジー

観光客、特にインバウンド層は「日本らしさ」や「地域限定感」を重視する傾向が強く、単価の高い商品に対しても抵抗が少ないのが特徴です。旅行先での体験やSNSを通じた情報共有によって、商品が広範囲に拡散される効果も期待できます。

 

3-2.地方創生との連携がもたらす拡販チャンス

自治体のキャンペーンや地域イベントを活用し、補助金や助成制度を受けられるケースもあります。地元の観光協会やレストランとのコラボレーションを通じて、地域の特色を生かした新商品やプレミアムラインを展開できれば、さらなる販路拡大が狙えるでしょう。



4.
海外販路開拓の重要性(中小企業の視点)

4-1.国内市場の限界と海外ニーズ

人口減少や内需の頭打ちを見据え、海外向けビジネスを検討する中小食品メーカーは増えています。海外での日本食ブームや高品質への信頼は追い風ですが、その機会を十分に活かせているメーカーはまだ少ないのが現状です。
最も大きな要因の一つとして、筆者は「メーカー側のスタンスや姿勢」を挙げています。もちろん「海外に売りたい」と考えてはいますが、「自分を売ってくれる誰かを待っているだけ」のメーカーが非常に多く、それだと成果は生まれません。たとえるなら「彼女が欲しい」と言いながら何も行動しない男性と同じ状況です。まずは、小さな一歩でも踏み出し、実行と検証を重ねることが海外売上拡大への近道といえます。

 



5.まとめと今後の展望

5-1.“攻めの姿勢で市場を開拓

万博や観光需要回復、シルバー市場の拡大など、2025年の食品業界には多数の好機があります。大手企業との差別化を図りながら、中小企業はスピード感をもって新商品開発や販路拡充に取り組むことが求められるでしょう。

 

5-2.具体的なアクションプラン

·       観光需要への対応: 地域色や日本らしさを生かした商品開発、旅行客への積極的PR

·       海外販路開拓: 規格対応・ローカライズ・現地パートナーの選定を段階的に進める

·       DX・サステナブル対応: デジタル技術の活用や環境配慮型の取り組みでブランド価値を高める

 

5-3.専門家との連携でスピードアップ

海外輸出や自治体連携を推進するうえでは、法規制や商慣習などの専門知識が必要になる場合が多いです。コンサルタントや行政機関のサポートを活用すれば、意思決定から施策実行までをよりスムーズに進められます。

 



おわりに

2025年は、日本の食品業界にとって複数のチャンスが同時多発的に訪れる年となるでしょう。万博や観光需要の盛り上がりを追い風に、海外販路開拓やシルバー市場向け商品の開発に注力すれば、中小企業でも十分に飛躍が可能です。ただし、やりたいという意欲だけでなく、具体的な行動を起こすことが何よりも大切です。

 

本レポートが、経営者・経営陣の皆さまが自社の戦略を検討するうえでの参考となれば幸いです。必要に応じて専門家の助力を得ながら、2025年のビジネスチャンスを最大限に生かしていただければと思います。

  


 

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