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レポート60 / 2025年 食品メーカーが押さえるべきキーワード
 
 
     
 



皆さん、こんにちは。

ジャパンフードカンパニーの南口です。

 

2025年 食品メーカーが押さえるべきキーワード

 

2025年を迎えるにあたり、新たな戦略を考えている経営者も多く、1月のコンサルティングの現場でも今後の成長を見据えた議論が活発に行われました。

その中で、食品メーカーが必ず押さえておくべき3つのキーワードをお伝えします。それは 「海外販路」、「EC(BtoB・BtoC)」、「国内インバウンド(外国人観光客)」 です。これらの市場はすでに成長軌道にあり、各メーカーの戦略次第でさらなる可能性を広げることができます。

本レポートでは、それぞれの市場動向と取り組むべきポイントについて考察します。

 

 

1. 海外販路の拡大

 

海外市場の開拓は、日本の食品メーカーにとって避けて通れないテーマです。国内市場は 人口減少 に伴い縮小し、さらに 円安による原材料コストの上昇人件費の高騰 など、多くの経営者が悩む課題が増えています。
その解決策の一つとして、海外市場に目を向ける企業が増加傾向にあります。しかし、多くの企業は具体的な施策を打ち出せずにいるのが現状です。

特に 東南アジア市場 は注目すべきエリアです。例えば、タイやベトナムでは日本食の人気が高く、現地の購買力も向上しています。バンコクでは駐在員向けの高級スーパーが拡大し、日本食品の需要が増しています。加えて、現地の富裕層や中間層の 可処分所得 が増加し、日本食への関心がさらに高まっています。

海外市場開拓を検討している経営者は、ぜひ現地視察を行うことをおすすめします。特にタイに関しては「下請けのイメージがある」と誤解されがちですが、首都バンコクに足を運ぶと、その考えが間違いであることに気づくはずです。
例えば、日本企業の部長クラスの平均年収は 約1,714万円 ですが、米国では 約3,400万円、シンガポールでは 約3,136万円、そしてタイでは 約2,054万円 です。2024年5月に経済産業省が公表した 「未来人材ビジョン」 でも、日本の部長の給与はタイよりも低いと指摘され、話題になりました。

2024年に経営者数名とバンコクを視察した際、多くの方が 「思っていたより物価が高い」「日本の方が安い」 という感想を口にしていました。
実際、2024年3月時点では 1バーツ=4.2 でしたが、2025年1月現在では4.5〜4.6円 まで上昇しています。つまり 円の価値が年で約10下落 したことになります。この傾向は短期的な変動はあるものの、中長期的には円安がさらに進行すると考えられます。

したがって 国内市場に依存することこそ、大きなリスク です。
経営が苦しくなってからでは手遅れになるため、早めに海外販路開拓の一歩を踏み出すことが重要 です。

 

 

 2.EC市場(BtoB・BtoC)の成長

 

日本国内のEC市場は成長率こそ鈍化しているものの、依然として拡大を続けています。2023年のBtoC-EC市場規模は 24兆8,435億円(前年比9.23%増) に達し、その中でも 「食品・飲料・酒類」2.99兆円規模 と最大の市場となっています。しかし、EC化率は 4.29 と依然として低く、成長の余地は大きいといえます。

BtoBの領域では 業務用食品のオンライン取引が増加 しており、GMSや宿泊施設からの OEM・PB商品の相談 も増えています。
一方でBtoCでは、サブスクリプション型の販売D2C(Direct to Consumer)戦略 が重要視されています。特に パーソナライズ食品ライフスタイルに特化した商品 への関心が高まっており、ECプラットフォームを活用した販売戦略が求められています。

食品メーカーがECを強化する際には、「リピーター獲得」 が重要なポイントになります。
SNS
を活用したブランディングや、定期購入モデルの導入によって 長期的な顧客関係 を構築することが、EC成功のカギとなります。

 

 

 3. 国内インバウンド需要の取り込み

 

2023年以降、日本への 訪日外国人観光客数は急回復 し、インバウンド消費 が活発化しています。
特に 高級ホテルは満室状態が続いており、宿泊客向けの 食事サービスの充実 が求められています。

また、土産品市場も好調 であり、地域の特色を活かした 食品OEMの需要 も増加しています。
訪日外国人は 単なる「商品購入」ではなく、「体験型消費」 を求める傾向が強いため、日本の 伝統的な食文化やストーリー を付加した商品展開が効果的です。

インバウンド市場で成功するには、ターゲット層の明確化販売チャネルの最適化が不可欠です。例えば、中国や東南アジアの富裕層向けに プレミアム食品を展開 する、または SNSを活用したライブコマース で販売するなど、消費者の購買行動に合わせた戦略 を立てることが重要になります。

 

 

まとめ

 

2025年の食品業界において、成長のカギを握るのは 「海外販路」「EC」「国内インバウンド」つの市場です。
各市場はそれぞれ異なる特性を持ちますが、共通して求められるのは 「市場の変化を捉え、迅速に対応する柔軟性」 です。
食品メーカーはこれらのキーワードを押さえ、自社の 強みを活かした戦略 を構築することで、新たな成長の機会をつかむことができるでしょう。

  


 

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