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レポート62 / なぜタイへの輸出なのか
 
 
     
 



皆さん、こんにちは。

ジャパンフードカンパニーの南口です。

 

最近、タイへの販路拡大サポートを行ったり、タイをご提案すると、多くの方から「なぜ、タイなのですか?」というご質問をいただきます。

 

この「なぜタイなのか?」という問いには、大きく分けて3つの背景があると私は考えています。

1)なぜ、今さらタイなのか?という疑問

2)過去のタイのイメージから考えがアップデートできていない

3)(シンプルに)タイを提案する根拠を知りたい

 

 

本日は、その「なぜ?」にお答えしたいと思います。

この中で最も多いのが2)です。

 

お話を伺うと、最後にタイへ行ったのは10年以上前、という方ばかりで、コロナ後の「タイの今」を知らず、情報がアップデートできていないようです。本レポートをお読みいただいている皆様も、もしこれに陥っていた際は、考えをアップデートしてください。

 

月24日に開催したセミナーでも、2)に該当する経営者の方が非常に多くいらっしゃいました。10年前のタイバーツ(THB)と比較すると、日本円の価値は約30%下落しています。15年前であれば万円相当だったものが、現在では約1.3万円相当になります。20年前と比較すると、日本円の価値は約43%下落しており、20年前に1万円相当だったものが、現在では約1.8万円相当になるのです。

 



 

逆に言えば、日本の製品はタイ人にとって安くなっているということです。タイは所得水準が向上しているため、所得と為替のダブル効果で、私たちが思っている以上に現在「日本は安い」状況なのです。

 

また、以下のデータもその状況を示しています。

・大手米マーサーがまとめた2024年版「世界生計費調査・都市ランキング」では、東京が49位、バンコクが129位、マニラが131位、大阪が146位となっています。

https://newsclip.be/thai-news/thai-economy/12517#google_vignette

・経済産業省が2022年月に公表した報告書「未来人材ビジョン」によると、日本の部長職の給与はタイの部長職よりも低いというデータがあります。

 

さらに、マクドナルドのテリヤキセットの価格を比較すると、日本では約700円であるのに対し、バンコクでは1THB=4.5円換算で約1400円程度となります。

 

もちろん、タイ全土が同じ状況ではありません。むしろ、貧富の差は日本よりも大きいため、一部の富が特にバンコクに集中しているのは事実です。しかし日本の食を普通に食せる人が、バンコクだけでも200万人以上いるとされており、それだけでも大きな魅力と言えるでしょう。

 

 

続いて、1)今、なぜタイなのか?という疑問についてです。

結論から申し上げますと、「ある程度の価格帯の日本食を受け入れられる層の規模(胃袋の数)」と「政治的な安定性」から「タイ」と答えています。より具体的に言えば、「タイから」始めるのが良いということです。

 

以下の表は、各国における可処分所得別の人口を示しています。




年間可処分所得は手取りに近い数値であり、上位中間層の年間可処分所得は1.5万ドル(ドル155円換算で約232万円)です。日本の場合、手取りは概ね年収の75~85%程度なので、年収約300万円に相当します。また、タイは家賃や水道光熱費などの基本的な生活費が安く、日本ほど貯蓄文化がない点を考慮すると、日本の年収300万円の方よりも購買力は高いと推測できます。

 

先日、我々のプロジェクトに関わってくれたタイ人通訳が、ちょうど年収240万円(日本円換算)ほどの方でした。彼女は、先日東京への妹人での10日間の旅行で、約50万円ほど消費したと言っていました。もちろんすべてが彼女と同じわけではありませんが、消費パワーの違いを感じました。

 

 

この上位中間層以上の年収層を「日本食を消費できる層」と定義した場合、インドネシア、マレーシア、フィリピンはタイよりもその人口が多く、輸出のしやすさから名前が挙がるシンガポールは、この層の人口としては少ないのがわかります。これらの国の中で、インドネシアとマレーシアはイスラム教徒が多いという点がハードルとなります。インドネシアでは約85%、マレーシアでは約60%がイスラム教徒であるため、「ハラル対応」が必須となります。逆に言えば、もし貴社の商品がハラル対応であれば、タイではなくこれらの国を真っ先に検討すべきでしょう。

 

最後に、フィリピンですが、この層の人口はタイよりも多いです。しかし、政治情勢や治安の面で依然として不安があるため、タイの方がより安定していると言えます。

 

 

上記点が、私がタイから始めよう、と提案している理由です。

最後は根拠にはなりませんが、「みんながハードルに感じているからこそ」という逆張りというのも多少はありますが。。。

 

 

 

最後に、もちろん経済成長が著しいベトナムは、これからこの上位中間層が増加してくるので注視することは必須です。




 

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「海外進出」「デジタルマーケティング」「コマース」を活用し、日本の中小食品メーカーの売上アップを支援することを得意としています。代表の南口は、14年以上食品業界に身を置き100を超える食品企業の経営者様との相談・支援の中で得た知見を活かし、画一的なソリューションではなく、企業の個性を最大限に活かし、成長する企業作りをサポートします。

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