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レポート68 / 「展示会は「費用対効果が低い」なんて言わせない!」
 
 
     
 



2日間の展示会で30件の商談獲得で効果のあった3つのこと



はじめに:展示会は「費用対効果が低い」なんて言わせない!


皆さん、こんにちは。ジャパンフードカンパニーの南口です。


今回は展示会で反響が出たブース運営についてお話したいと思います。


先日ご支援先のスイーツメーカーが東京ビッグサイトで開催された「フードスタイルジャパン」に出展。私も準備からお手伝させていただき、わずか2日間で30件以上の具体的な商談を獲得することができました。


今回、展示会出展が決まってからたった1ヶ月での準備でしたが、その中でも重要だと感じた3つの事をシェアしたいと思います。




1. 売り込みはNG!「お客さまの成功事例」を多く掲示


「うちの製品はスゴイ」より「どう実績が出たか」を見せる


まず、私たちは、単にたくさんの製品を並べることをやめました。「自分たちのPR」より「相手の課題解決」を最優先したブースにしました。


展示会に訪れている方は、多かれ少なかれ「情報」を取りにきています。もちろん業界を揺るがす画期的な新技術、新製品であれば別ですが、言わばほとんどの製品は既視感があります。


一方、多くの経営者や仕入れ担当者が本当に知りたいのは、あなたの会社の「技術やこだわり」ではありません。彼らが知りたいのは、「この商品で、うちの売上はどう変わるのか?変わりそうか?」です。


そこで展示ブースを再考しました。

まず第一に、自分たちのこだわりを伝える前に、お取引様の事例や実践を多く見せることを徹底。 通行人の目に触れ、ブースの目立つところに「〇〇業種が、1日〇〇個販売」「●●という業種が、1日●●個販売」「レストランが人手を増やさず〇〇達成」「居酒屋で売れている●●スイーツ」と、数字を用いたり、業種での活用を見せました。通り過ぎる人が「自分事」として捉えてもらうのが意図です。


ご支援先のスイーツメーカーにはこれまで「居酒屋」からの注文はあったため、事例自体に派手さこそはありませんが、スイーツの展示ブースに居酒屋やレストランの事例を掲示。


多くの居酒屋やレストランのオーナーや仕入れ担当者様との商談が獲得出来ました。もちろん数字的にも派手な成功事例も良いですが、数字に派手さはなくとも、自分に近しいリアルな事例も大きな効果があることがわかりました。


「これはうちでもやれそう!」と感じてくださったのか、会話はすぐに「うちだったらどうなるか?」といった自社の課題解決という本題に入ることができました。


単なる名刺交換で終わらず、具体的な連絡先と具体的な次のアクションにつながる商談に持ち込めました。


(本レポート執筆時点ではまだ受注というゴールは迎えていませんが、また折を見てご報告できればと思います。)




2. 集客フックを一番立地に陳列、横に事例のタペストリーで足止めを最大化


BtoCで培った「映え」で、興味を引き、事例を見せることで足止め時間を長く


OEMの場合、ロットや自社のPRを強調しがちです。ドンピシャでその商材を探している人しか反応してくれませんから、そもそも確率が低くなり、スペックやロットが先行し、なかなか来場者の足を止めることができません。


そこで活用したのが、自社がBtoC-ECを運営しているからこそ持つ、「実際に人気のある商品」を見せる、です。


大手モールなどでも人気のある「見栄えする」アイテムをブースの一番目立つ場所に設置。立ち止まってもらうためのフックに使いました。


集客は、この「売れるフック商品」と「事例・実績」に任せます。来場者が立ち止まっている間に、「どれか気になる事例はございますか?」もしくは「これ、通販でとっても人気なんですよ」と、声をかけるという流れができたことで、会話のスタートが切りやすくなりました。あとはひたすら会話の量を増やし、KPIを目指すだけ。


展示会における一般的なKPIと言えば、「展示会経由の売上高」か「名刺獲得の数」ですが、我々は「回答が必要な名刺の数」に設定。とにかく「宿題」をもらうことで、自然に2回目に繋がる様にしました。




3. 商談の最終兵器:「4分の3製品」で小ロットニーズを拾う


既存商品既存品のアレンジから入り、市場のギャップを埋める提案へ


来場者との会話では、まず「売り込み」を避け、相手のニーズを聞くことに集中。「既存商品のリニューアルですか?」「人手不足で仕込みを減らしたいですか?」など、事例を交えつつ、どういった物をお探しなのか相手の欲するニーズを聞く質問型アプローチを徹底しました。


OEMニーズの多くは、ゼロからの開発ではなく、既存製品に少しカスタマイズを加えるだけで対応できるものが多いということは知っていました。「当社の人気生地をベースに、貴社オリジナルのフレーバーだけアレンジしませんか?」などであれば、ロットも大きくならないため、仕入れ側の心理的ハードルが低い提案から入るのがポイントです。



メーカーと仕入れ側の両方が勝つ「4分の3製品」戦略

そして、商談で反響が大きかったのは、本コラムでも何度か登場した「4分の3製品」です。製品をほぼ完成前(例えばケーキのナッペまで)まで仕上げておき、最後の仕上げ(フルーツの飾り付けなど)だけを納入先で行っていただく商品です。



・仕入れ側のメリット: 「仕上げだけ自店」で済むため、仕込みの手間が減る上に、「自店のオリジナル商品」として販売可能。人手不足の解消とブランド力の向上を一気に実現。


メーカー側のメリット: 大手メーカーが手を出さない、ロットで諦めていたミドルクラスや小規模事業者のPB(プライベートブランド)ニーズをがっちり掴めます。「どこにでもある商品では嫌」という高付加価値ニーズに応える、中小メーカー向けの戦略です


展示会を「名刺交換の場」で終わらせてはいけません。

今回は「立ち止まらせるフック」「事例で足止め」「4分の3製品という着地」という3つが有効に組み合わさり、良い結果につながりました。

ぜひ、次の展示会で挑んでみてください。




 

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